どうもミトコンドリオンです。
今回も「シャーロックホームズの冒険」をご紹介しようと思います。
ご紹介するのは「美しき自転車乗り」です。
ざっくり内容
ホームズのところに若い女性のバイオレットが訪ねてきます。
知り合いの娘に音楽の教師をしてほしいと頼まれ、住み込みで働くことになったその女性でしたが、不可解なことがあるということでした。
住み込みで働くことになった家の主人であるカラザースさんはよくしてくれるのですが、その家を訪ねてくるウッドレーがバイオレットにつきまとってきて、迷惑しているということです。
さらに、不可解なことが起きたのです。
バイオレットは住み込みなのですが、週末に実家のあるロンドンに帰る途中、駅まで自転車に乗っていくのですが、その道中で自転車に乗った黒づくめで髭のある男に尾行されているというのです。
バイオレットは男を撒こうと自転車を全力で漕いで距離を取り、その男を待ち伏せしましたが、男はこなかったそうです。不思議なことに一本道だというのに。
話を聞くとホームズは別の仕事もあるということで、すぐには現場にいけないことを告げ、ワトソンに代わりに現地調査を依頼しました。
ワトソンは現場で待ち伏せしたところ、バイオレットの後をつけている男を見つけます。ワトソンは追いかけるのですが、男は姿を消してしまいます。
ロンドンに戻ったワトソンにホームズは冷たく接します。「なぜ顔がよく見える道の反対側にいなかったのか」「男が消えた土地の持ち主が分かっただけでほとんど進展していない」「酒場に行けばもっと有益な情報が得られた」など、ひどく非難します。
この点が、ホームズが人の心を理解できていない一面のようです。
ホームズが酒場に行って情報収集していると、ウッドレーが訪れます。ホームズが自分のことを嗅ぎ回っていることが気に食わないようで、ホームズに手を出します。
1発やられたホームズは正当防衛ということで、ボクシングでウッドレーをノックアウトします。
この時の戦闘シーンは時代を感じさせます。
その後、身の危険を感じたバイオレットは仕事を辞めてロンドンに帰ることを決めます。
仕事を辞めてロンドンに戻る当日。バイオレットが乗った馬車が襲われます。
ホームズは追いかける途中で黒い髭の男に遭遇します。
正体はさておき、ホームズ、ワトソン、髭男で先へ向かうと、そこではバイオレットとウッドレーが結婚式を挙げていました。
しかし、バイオレットは口を塞がれ、拘束されており、強制的に結婚させられようとしています。
それを阻止しようと髭の男は変装を解き、ウッドレーをピストルで撃ちます。
髭の男はカラザースだったのです。
カラザースはウッドレーがバイオレットにつきまとっていたため、監視するために変装し、自転車で後を追いかけていました。
ホームズは真実を知っていながらも最悪の事態に陥ってしまったことを悔います。そして、カラザースに事の詳細を聞くのです。
真相は次の通りでした。
南アフリカである老人の世話をしたカラザースとウッドレー。しかし、老人は残りの人生も少なくなり、ロンドンにいる親戚に遺産を残そうとしていました。それがバイオレットです。
そこで、カラザースとウッドレーはそのバイオレットと結婚すれば、遺産の一部がもらえると思い、ロンドンに向かいます。
二人はウッドレーを結婚させようとしましたが、カラザースは美しいバイオレットを愛してしまったため、ウッドレーとの結婚を阻止しようとしたのでした。
しかし、ウッドレーは遺産がほしいので、結婚を迫ります。
そして、ウッドレーがバイオレットを誘拐して、強制的に結婚式を挙げてしまったということです。
事件の真相を知り、ホームズ、ワトソンはカラザースに同情します。
その後、カラザース、命拾いしたウッドレー、資格のない牧師は逮捕されました。
ウッドレーとバイオレットの結婚式ですが、資格のない牧師が取り仕切ったので、結婚は無効になっていました。
エピローグとして、ワトソンが3人の判決をホームズに報告するのですが、カラザースにはホームズの見事な弁論もあって刑期が大幅に短く済んだとのことです。
トリック的な部分
今回の話は、事件は事件なのですが、謎解きという部分はありませんでした。
状況から推察されることをつなげていくと、大筋が分かってくると言ったことを体現している感じです。
個人的な感想
さまざまな人物の思惑が錯綜し、謎解き部分はなかったのですが、なぜかずーっと見てしまいました。
状況から推測されることをつなぎ合わせていくことで真実を見つけると言った部分ではホームズっぽいのかもしれません。
ちょっと面白かった部分として、
馬車が予定よりも早く出発しており、自分たちが間に合わないと分かった時、ホームズはどうするかというと「間に合わせるには”駆け足だ”」と走って追いつこうとしているところで、「追いつくわけないのにここで?」とちょっとおもしろい一言が気になりました。
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