どうもミトコンドリオンです。
今回は「シャーロックホームズの冒険」ドラマについてご紹介しようと思います。
今回のタイトルは「曲がった男」です。
事件の内容より、過去の話が濃厚すぎて、そっちに気持ちが持っていかれる話です。
ざっくりあらすじ
イギリス軍のジェームズ・バークレー大佐の家で事件が起きました。
大佐夫婦の部屋から口論が聞こえ、使用人たちがざわざわしていると、悲鳴と物音がしました。慌てて部屋に入ろうとしても鍵がかかって入れません。外から周り、窓から部屋に入ると、夫人は気絶しており、大佐は頭を棍棒で殴られて死んでいました。
翌日、大佐の同期であるマーフィ少佐が知り合いだったワトソンに依頼し、ホームズと一緒に事件を担当することになりました。
事件の容疑者として大佐夫人であるナンシーが疑われている。しかし、夫人はそんなことができる人ではないため、事件を解明して欲しいということでした。
ホームズが大佐夫婦のことを聞いていると、次々不可解なことが明らかになってきます。
・夫人が「デイビット、デイビット」と大佐の名前ではない誰かを口にしている。
・大佐はインドでの話をすると急に黙りこくってしまう。
・事件直前に、大佐は夫人に対して誰にあっていたのかを厳しく問い詰めていた。
など、何か夫人が浮気しているような空気も漂い、スキャンダルかもしれないと思われています。
また、周囲の人に話を聞いていると、次の出来事のことも明らかになりました。
夫人は貧民街でボランティアをしているのですが、その日、ボランティア中に一人の男に会います。その瞬間、夫人とその男は驚いたような様子で、二人で少し会話をしたそうです。
その後、男は怒ってその場を立ち去ったとのことでした。
ホームズはその男が何か鍵になると思い、男を探します。
酒場で男を見つけ、事情を聞きます。背中の曲がった男ヘンリー・ウッドは過去の話と、事件当日のことを語り出します。
ナンシーは当時、書記官の娘だったため、軍と一緒にインドに滞在していました。若い頃から美しく、軍の男たちはみんな恋心を抱いていました。それを射止めたのが、バークレー大佐だったということです。
しかし、真相は違い、ナンシーはウッドと相思相愛だったのです。
そして、戦闘中、ウッドはバークレーに騙されて、敵の捕虜となり、奴隷扱いされてしまいます。
ナンシーはウッドが死んだと信じ、バークレーを結婚しました。
ウッドのそれからは過酷なものでした。
戦争が終わっても奴隷のように扱われ、身体はボロボロ、背中は曲がってしまい、イケメンだった容姿もシワが刻まれすっかり変わってしまいました。
そして、ある時、山賊に襲われ、九死に一生を得て、奴隷から開放されます。そして、なんとか生きようとし、イギリスに戻り、ボランティアで助けてもらおうと訪れたところ、ナンシーと再開したということでした。
ナンシーに会って、過去のことを思い出してしまったヘンリーはその場は立ち去りますが、気持ちが抑えられず、バークレー大佐の家に訪れます。
その時、バークレー大佐がナンシーに詰め寄って知るところを見てしまったため、居ても立ってもいられず、部屋に忍び込んでしまいます。
忍び込んできたヘンリーを見たナンシーは気絶してしまい、バークレー大佐は死んだと思っていたヘンリーが目の前に現れたため、驚き、倒れて、ヘンリーが持っていた杖に頭を打って死んでしまったということです。
しかし、バークレー大佐は頭を打つ前に、既に死んでいたとヘンリーは語ります。
ヘンリーにあった時に既に死相が出ており、倒れる瞬間に既に死んでいたというのです。神が裁いたのか、バークレーの良心の呵責だったのかは今となっては不明です。
ヘンリーは慌ててその場を立ち去ろうとしますが、慌てていたため、部屋の鍵を持ち去ってしまったのでした。それがきっかけで部屋は密室になり、ナンシーが疑われる状況となったのです。
最後に、ワトソンがデイビットについて聞くと、ホームズがデイビットはダビデ王のことを指していると旧約聖書の説明をします。
しかし、ワトソンはホームズが帰ってきて、すぐに調べてことを見抜きます。
「初歩的なことだよ、ホームズくん」と言って、部屋を出ていきました。
トリック的な部分
現場にいた動物は?
事件の部屋を調査している時に、ホームズはある生き物がいたことを突き止めます。
現場にいた動物の足跡から犬や猫のようなよく見かける動物ではなく、カーテンを駆け上り、鳥籠の中の鳥を襲おうとしていたため、肉食獣であること。足跡の間隔から全身60cmくらい。胴長で足が短い等の特長を言い当てます。
実際にウッドが飼っていたのはマングースで、あまり見かけない動物だったことが分かります。
デイビットの謎
夫人が叫んでいた「デイビット」とは旧約聖書に書かれているダビデ王のことを指していました。ダビデ王は家臣の妻を好きになってしまい、妻を奪うために、家臣を前線に送り、死亡させてしまうという話があります。それを使って、ナンシーは「デイビット(ダビデ)」と言って、バークレーを非難していたのでした。
感想
今回の事件は2時間サスペンスを見ているかのような感覚でした。
関係者の過去の因果関係が鍵となっており、その描写もとても心を抉られます。
戦争の悲惨さ、奴隷としての扱われ方、ヘンリーの境遇があまりにも悲惨すぎて悲惨すぎて、見ていても辛いです。
死因の解明で、誰もバークレーに手を下していないことが分かり、罪を背負うことはなかったことが、救いかなと思いました。ヘンリーのこれからの人生がうまくいくように祈るばかりです。
また、最後にワトソンがホームズに「初歩的なことだよ、ホームズ君」と自分がよく言われるセリフを言い返しているところはフフッとなる部分でした。
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