その考えは思い込みかも〜親の支配からの脱出〜

読書

どうもミトコンドリオンです。

今回はこちらの書籍をご紹介しようと思います。

親からの支配 脱出マニュアル

書籍情報

「親からの支配 脱出マニュアル 心を傷つける家族から自由になるための本」

著者

藤木 美奈子

大阪市生まれ。一般社団法人WANA関西代表理事、SEP研究所所長。元龍谷大学准教授。貧困家庭に生まれ児童虐待やパートナーからのDVを経験する。女子刑務所刑務官、会社経営などを経て、2008年に大阪市立大学大学院で博士号(創造都市)を取得。家族暴力の当事者支援を20年以上にわたり続けながら、WANA関西(1995年創立)、児童相談所、福祉施設などで自尊感情回復のための心理プログラム「SEP」の実践研究を行っている。著書に『親に壊された心の治し方 「育ちの傷」を癒す方法がわかる本』(講談社)ほか多数。

親の支配とは

親の支配からの脱出と聞くと虐待されていたり、育児放棄された人が最初に頭に浮かびましたが、親の支配を受けている人は意外に多いのかもしれません。

子供を傷つける親にはいろいろな場合があります。

・表情や機嫌で子供を操作する:自分の考えをはっきり言わず、感情を表情や態度に出すことで子供を不安にさせ、服従を強要する

・子供に食事を与えるだけ:親の都合に合わせて世話をする。親が自分の用事にかまけて忙しく、子供の気持ちは切り捨て、生かしておくだけ

・子供に依存する:親と子の間に一線が引けておらず、小さい頃から子供を自分の友人のように扱い、性的なことまであけすけに相談する。

・子供を搾取する:「子が親の面倒をみるのは当たり前」という考えがあり、家事の多くを子供に押し付けたり、子供にお金の無心をしたり、貯金を勝手に使う

・子供を性の対象にする(性的虐待):レイプや、性行為を見せる、性器を触らせる、など。性的虐待を加えられている子に、同性の親が嫉妬して虐待が深刻化することもある

・感情的で、すぐに暴言・暴力をふるう:「できそこない」「お前なんか産むんじゃなかった」と子供を罵ったり、「死んでやる」「殺す」などと脅したり、殴る・蹴るなどの暴行を加える

・なんども自分の思い通りにしようとする:子供の勉強、進学、就職、恋愛、結婚など、あらゆることに介入する。成功した親、挫折した親どちらにも見られる

・子供を他者と比較する:兄弟同士を成績や素行、容姿などで比較して扱いに差をつけたり、親戚と比べて子供をおとしめたりする

・自分の価値観を子供に強要する:特定の宗教に強制したり、「世の中カネが全て」「成績トップでないやつはクズ」などといった極端な価値観で子供を縛る

・夫婦仲が悪く、そこに子供を巻き込む:争いが絶えず、家庭内が常に緊張感で張り詰めている。子供が夫婦の諍いに巻き込まれたり、愚痴を延々と聞かされたりする

このような環境で受けたものを本書では「育ちの傷」と表現しています。

また、この育ちの傷は克服できるため、その方法が本書ではエピソードを交えて紹介しています。

個人的に書き留めておきたいこと

親からの支配を強く受けている人は親からの常識を強く刷り込まれている場合が多いです。本書ではこれを親からの「プログラミング」としています。その例として以下のものを紹介しています。

・家族が一番。血のつながりほど大切なものはない

・誰からも好かれる人になりなさい

・世のため人のために生きることが最善の生き方

・人に迷惑をかけるな。人を頼るべからず

などがあるそうです。これらはあくまでその親の考えであるため、社会の常識ではありません。これらの親の常識に苦しんでいる方は多いのではないでしょうか。

これらの常識から抜け出すには親や家族の存在を「絶対的なもの」と重く受け止めず、「単なるシナリオ、あるいはひとつのゲームにすぎない」と考えるのです。

また、いい子であることを強要されますが、いい子であることが全てではありませんし、親を手放してしまうことも親の支配から脱出する方法とされています。

自分の仕事は親の支配を受けて、世話をすることではありません。自分の仕事は「自分を幸せにすること」と思うことが重要なのです。

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