「いい人」は性格ではなく病気ってホント?

読書

どうもミトコンドリオンです。

これは紹介せずにはいられない。

世の中に当てはまる人は多くいるはず。

と思い、紹介させていただきたい1冊がございます。

「いい人」をやめる7つの方法

これを読んでいて、当てはまる部分が出るわ出るわ。私の近い将来、もしくは一歩間違っていたら、このようになっていたかもと思いました。

表紙に書かれている

「いい人」は性格ではなく、病気です。

この一文はとてもインパクトがあり、私自身を揺るがしました。

書籍情報

「いい人」をやめる7つの方法

著者

緒方 俊雄 (おがた としお)

昭和32年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修士課程卒業。目白大学大学院心理学研究科臨床心理学専攻修士課程卒業。TDK株式会社をへて、ソニー株式会社で半導体レーザの研究・開発に携わる。平成14年よりメンタルヘルス関連業務を開始、ソニー人事部に異動。平成23年SOTカウンセリング研究所で独立。臨床心理士、産業カウンセラー、日本メンタルヘルス講師認定協会理事。著書に、『慢性うつ病は必ず治る』『すぐ会社を休む部下に困っている人が読む本』(以上幻冬舎新書)、『「勝ち組」の男は人生で三度、挫折する』(中公新書ラクレ)、『カウンセリング実践ハンドブック』(共著・丸善出版)など。

ざっくり内容

いい人とは他人を優先にしてしまう人のことを示します。

他人を優先にすると聞くと聞こえは良いですが、中身は「自分の意見がない」「自分ルールに縛られている」「優柔不断」

いい人の特徴

仕事がオーバーフローする

忠実な部下、信頼される同僚、良き先輩として、きちんと仕事をこなすので、どんどん仕事を頼まれてしまいます。しかし、断ることができないので、どんどん溜まっていき、最終的にはオーバーフローしてしまいます。それだけなら良いのですが、周りの人は期待外れだとして、いい人に対して怒りの感情を持つのです。

パワハラの対象になる

いい人は言い返すことをしませんので、パワハラを受けてもやられる一方です。自己中な上司だったらなおさらで、自分の機嫌次第でパワハラをしてきます。

部下をまとめられない

いい人は誰一人として嫌われないように動くため、リーダーとなってもまとめることができません。決断力がないのです。上司の顔色を伺って、部下の顔色を伺ってと決断ができず、ずーっとうろうろすることになります。

良妻賢母、マイホームパパ、イクメン

世間では理想的な親のイメージがありますが、これはいい人が無意識的に無理をした結果となります。自分の意見は言わずに、ひたすら我慢し続けて、世間で理想とされている姿を演じなければと頑張っているのです。

また、いい人の天敵は自己中な人です。いい人は他人のために動こうとして、自己中な人は自分のために動くので、いい人をいいように使います。

いい人の心理

気になって仕方ない

非常に不安が強いため、自分が合っているのかに自信が持てません。例えば、家の鍵を閉めたのか確認したのに、少し経つとまた不安が募って確認しに帰ると言った行動に出てしまいます。

いい人をやめられない

いい人はいい人になっている自分を保ちたい、理想としている姿になりたいと信じ切っているため、いいい人をやめようと思ってもそう簡単にはやめられません。いい人になることこそがこの世のルールと言わんばかりに自分ルールを決めているのです。

0点か100点か

いい人は極端な思考も持っています。聖人君子であろうとするため、少しでも外れると自分はダメな人間なのだと決めつけてしまいます。例えば、ゴミ屋敷の住人は本当は綺麗好きの人だったりします。綺麗に保たれている時はそれを維持できるのですが、少しでも片付けられなくなると、一気に覚めてしまい、少しでも片付けられないなら、なにも片付けなくても一緒と認識してしまうのです。

いい人の原因

生まれた時からの環境がその人をいい人にさせている傾向にあります。

厳しい親、不安定な親の場合、子供はその期待に応えないといけないと感じ、頑張ってしまいます。しかし、100点でないと褒められず、70点、80点はもはや0点と同じとされてしまうため、極端な思考に陥ってしまいます。

このように、生まれた時の環境の影響が大きく、次第にいい人になっていってしまうのです。

いい人は病気?

依存性パーソナリティ障害

他人に過剰に面倒を見てもらいたい欲求があり、まとわりつく行為、分離することを怖れると言った症状があります。

①他者からのアドバイスがなければ物事を決定できない

②責任を負うために、他者を必要とする。

③他者の賛同を失うことを恐れ、反対意見を述べることができない

④自ら物事を開始することができない

⑤他人の保護を得るために、不愉快なことまでを行う。

⑥自らを保護することができないという肥大化した恐怖により、精神不安または無力感を覚える。

⑦他者との密接な関係が終わると、過剰に不安になり、保護を得られる新しい者を探し出す

⑧保護してもらえなくなるという非現実的な恐怖にとらわれている。

診断基準は以上8項目のうち5項目以上当てはまることになります。

強迫性パーソナリティ障害

秩序、完全主義、精神および対人関係の統一性にとらわれ、柔軟性、開放性、効率性が犠牲にされる症状を指します。

①規則や手順の細部までに注意を払うことで活動の焦点が失われている

②そのために、計画が完成できず、締め切りなどに間に合わない

③休暇どころか息抜きすることもできず、時間の無駄にならないように生活活動に臨む

④道徳原理に融通がなく、それは自己の間違いに対しても批判的である

⑤意味のない、価値のないガラクタでも捨てることができない

⑥人に仕事を任せることができない

⑦自分の余裕よりもはるかに低い生活水準で過ごし、将来の破局に役立てようとケチになっている

⑧それらが非常に頑固で妥協できない

診断基準は、8項目のうち4項目以上当てはまることになります。

いい人の末路はうつ病

うつ病になりやすい性格として、「メランコリー親和型性格」と「粘着気質」が有名です。

メランコリー親和型性格

保守的で、秩序やルールに忠実な点が大きな特徴です。

他人に対して献身的で、人に頼まれると嫌と言えず、相手と対立するような場面では、自分から折れる傾向があります。

几帳面、律儀、綿密、責任感が強いと言った点も挙げられます。

粘着気質

生真面目、責任感や正義感が強く、凝り性で、仕事熱心と言った特徴が挙げられます。

このような人はごまかしや、大雑把なことを嫌い、何事も徹底的にやらなければ気が済みません。

このようにいい人の特徴はうつ病になりやすい性格に似ています。つまり、うつ病になる確率が高い人とも言えるのです。

いい人からの卒業

「しなければならない」のマイルールを手放す

いい人は聖人君子を求めているので、そのためのマイルールがあります。他人の期待に応えようとか、世間で良いとされていることは絶対にするとかです。

しかし、完全にしなければならないことはそんなに多くありません。できていない人が大半です。しなければならないと信じていることをまず、疑ってみましょう。完璧でなくて、ほどほどでも十分に満足できるはずです。

100点ではなく、80点でも良いとする

職場、家庭、友人関係、全てを100点にしようと奮闘してしまうのが、いい人です。しかし、よく考えれば、全て100点にしようとすると、ずーっと頑張り続けることになります。

つまり、全て完璧でなくても良いのです。80点でも人は満足してくれます。勝手に他人が100点でないと認めてくれないと信じ込んでいるだけなのです。

自分の考えを持つ

いい人は他人に依存している傾向が強い方です。よって、自分の意見を持ってみましょう。

そんなに大きい決断でなくても良いのです。外食した時のメニューを決めたり、服や趣味を好きなように選んだりするだけでも、世界が変わるはずです。

自分の意見を持つことがいけないことはないのです。他人のために生きているわけではないので、自分のために生きてみようと挑戦してください。

感情を取り戻す

いい人は感情を抑えることを常にしてしまいます。理不尽に怒られても自分が悪かったのだと切り替えてしまいます。また、人前で怒る、泣くということは恥ずかしいことだと親から教えられているので、その感情も押さえ込んでしまうのです。

人は怒っても、泣いてもいいことを認識しましょう。流石に人前で怒って暴れたり、泣き喚くことは避けた方が良いですが、イラッとすることは全然良いことです。

このように感情を出していくと、喜び、楽しみの感情も戻ってきます。

今の自分を受け入れる

いい人はマイルールがあり、できてない自分を責めてしまいます。また、他人に依存しているため、他人の希望に沿わない場合も自分を責めてしまいます。

しかし、そんなできてない自分を受け入れるようにしてみましょう。

ただし、できていないことをそのままにしておいて良いということではありません。

できてないことを受け入れ、それから自分がどうするかを考えなくていけません。

感想

自分もいい人になろうとしていた

本書を読んで、正しく私だと衝撃を受けました。

私も自分ルールが強く、聖人君子になろうと思っていました。しかし、聖人君子のような完璧な人にはなれません。

どこかでミスをして、怒られ、迷惑をかけ、自分がなんて無価値な人間なのだと悩むことが多かったのです。

また、他人がやるべきことをやらないと、イライラしてしまい、「なぜ、私は気をつけているのに、あなたは気をつけないんだ。間違っている」と思っていました。

しかし、本書を読んで、それが自分ルールを勝手に決めているだけだと気づかせてもらい、イライラした際は思い出すようにしています。

特に別の部署の役職者が全然確認せずに仕事を回してくると、「役職があるのに、なぜ仕事をしないんだ」「それでも役職者か」とイライラを募らせていました。

最近は、やっと、「そんな人でも私にできない仕事ができるから役職についているのだな」と思うように気をつけています。

また、0か100かの極端思考についても非常に思い当たる節がありました。

仕事において、イライラすると、すぐに極端な発想をしてしまいます。相手が全然確認せず、仕事を回してきたら、こちらも確認せず、その依頼通りにこなしてやろう。それで相手が困っても、それは相手の自業自得だと。こちらには何の非もないと。

しかし、それは仕事においてはあまり良くないことだとやっと少しずつ理解できてきました。相手が確認していなかったら、自分も気づいたら直してあげることで円滑に仕事を遂行することが、ビジネス、コミュニケーション上、良いことだと。

いい人からの解放

先述しましたが、私も「いい人」になろうと必死になっていました。

それこそが幸せになれる方法だと思っていましたし、いい人になることで立派な人と認められると信じてきました。

しかし、それは勘違いで、「いい人」はただただ他人に振り回される人だったのです。

よって、本書のアドバイス通り、「80%くらい」で満足できるように努めたいと思います。

家族からも自分ルールが他の人より多く、縛りが強いと気づかせてもらったので、少しずつ緩めて、自分自身を解放してあげたいと思います。

そうすることで、ほどほどに生きることができ、満足な人生を送れると信じています。

まあ、逆に「ほどほどに生きる」というルールを固執しないように気をつけなければなりませんが。

また、世間でいう「いい人」とは、その人たちに都合の「いい」人です。それを目指すのではなく、自分を受け入れ、その先に自分の目指す行動が結果的に「いい人」になるのだと思います。

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