給料が増えないのは誰のせい?

読書

どうもミトコンドリオンです。

経済ニュースを意識して見るようになって、日本はどんどん貧しい国になってしまうのではないかと思っている今日この頃です。

以前にも、日本の物価が安いという記事を載せたことがありますが、それは日本人の給与水準が低いことにつながります。

そんな思いを持っている方なら手にとってしまう1冊がありました。

給料低いのぜーんぶ「日銀」のせい

なぜ給料が低いのか、なぜ日本は他国に比べて給料が上がらないのかが説明されています。

書籍情報

給料低いのぜーんぶ日銀のせい

著者

高橋洋一(タカハシヨウイチ)
1955年東京都生まれ。数量政策学者。嘉悦大学ビジネス創造学部教授、株式会社政策工房代表取締役会長。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官(内閣総務官室)等を歴任。小泉内閣・第一次安倍内閣ではブレーンとして活躍。「霞が関埋蔵金」の公表や「ふるさと納税」「ねんきん定期便」などの政策を提案。2008年退官。同年に『さらば財務省!』(講談社)で第17回山本七平賞受賞。その他にも、著書、ベストセラー多数。2020年10月、内閣官房参与に任命される。

ざっくりいうと

給料が上がらないのは日本の物価が低いから。

物価が低いのは日銀が物価上昇を抑え込んでいるから。

他国は雇用を充実させるため、中央銀行がお金の価値をコントロールしているが、日本政府は雇用や物価上昇よりも、税収を上げることだけを考えており、日銀は物価安定を目標に動いているため、結果的に日本に住んでいる人の給料は上がらないということです。

国債の誤解

国債とは

国債とは国が発行する債権のことです。

国が発行し、企業や国民が債権を買うことで、政府にお金が入り、そのお金で国を運営します。

本書では国の運営に関するお金の流れではなく、市場で動くお金について説明されています。

ややこしいのですが、市場にお金が回るためにはまず、国が国債を発行し、民間の銀行

日本が借金で破綻するってホント?

よくニュースでは、日本は国債(=借金)が他の国に比べて多額で、借金大国だと言われています。そのため、増税が必要だと説明し、どんどん税金が高くなっています。

しかし、借金をすることはいけないことなのでしょうか。

企業でしたら、事業を大きくするために借金をしてどんどん事業を大きくしていくのが通常です。そのために銀行はお金を貸してくれます。この理由だったら、否定的な見方はしないのではないでしょうか。

それがなぜなのかというと、借金に対して、その企業の資産がしっかりしている、つまり返済できるだけの力があるとみなされるからです。

ということで、日本政府の財政状況をバランスシートで見てみると、実は資産もしっかりあるため、国債(=借金)していても全然破綻しない状況であることがわかります。

つまり、「借金=悪いこと」という思い込みがあるため、国債が増えると日本は財政的に危ない状況なのだと信じてしまうのです。

著者が初めて日本の財政状況のバランスシートを作成したそうですが、上司から表に出さないように言われていたそうです。この点からも何か上の方は隠そうとしているのかもしれません。

日銀の失策

バブルが崩壊した時、日銀は大きな失策をしています。

それは金利を上げたことです。

バブル崩壊によって、経済が冷え込んでしまっているところに、利上げをしたことで、さらに経済が冷え込んでしまいました。

日銀的には物価安定が正義とされていたようで、この方針で進めたようですが、結果的に経済が低迷し、失われた30年が始まることになったのです。

また、日銀は国内のお金の量を調整できるため、インフレにもデフレにもコントロールできるところを、「日銀はインフレをコントロールできない」とし、ほとんど何もしなかったため、雇用も増えず、経済も動かず、物価も上昇せず、給料も増えないという事態になったようです。

個人的な感想

この本を読むまでは、テレビのニュースで日本の国債=借金がどんどん増えており、このままでは借金で日本という国が破綻してしまうということを信じていました。

そのせいで、税金が増えるのは嫌だけど、しょうがないと思い込ませていましたが、それは間違った情報であって、実際に日本政府のお財布事情は特に火の車ではなく、国債=借金は全然返すことができる状況だということでした。

「借金」という言葉だけが一人歩きし、ネガティブなイメージを定着させていたと認識することができ、政府、日銀に対する不信感が込み上げながらも、メディアも巻き込んで、うまく情報操作できたものだと感心もしました。

普通に生活していたら全然知ることができなかったことを知ることができ、金融リテラシーを得ることができたと実感しています。

少々、著者の見解が、現在の日銀、政府の批判の色が強い感じはしますが、一度読んでみると、学校では学べなかったことと、これから個人でどのように動くべきか、国民の一人として行動するべきかを意識するきっかけになると思います。

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