どうもミトコンドリオンです。
今回は現在注目されているフードロスについての書籍をご紹介します。
書籍情報
捨てられる食べものたち
食品ロス問題がわかる本
著者
井出留美(いで るみ)
食品ロスジャーナリスト
Office3.11代表。奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等を歴任。東日本大震災(2011年3月11日)での支援物資の廃棄に衝撃を受け、自身の誕生日でもある3.11を冠した(株)office3.11を設立。食品ロス問題の専門家としての活動をスタートさせ、食品ロス削減推進法の成立にも協力。政府・企業・国際機関・研究機関のリーダーによる食品ロス削減を目指す世界的連合「Champions12.3」メンバー。著書『賞味期限のウソ』『あるものでまかなう生活』他多数。第2回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018受賞。
気になった部分の内容
世界では、生産量の3分の1にあたる13億トンが毎年捨てられ、日本では、東京都民1300万人が1年間に食べる量が捨てられている。
理由はさまざまで、作りすぎや仕入れすぎで、食べ物を廃棄している企業。食べきれないほどの料理を注文して、残してしまう消費者たち。
著者は東日本大震災の時に、ある食品メーカーの広報室長として食品の寄付をしていたのですが、その際に衝撃の事実を知ります。
おにぎり1個を4人で分け合い、1日にソーセージ1本しか食べられない被災地。それなのに「人数分に少し足らないので配らなかった」など、理不尽な理由で支援物資が捨てられることでした。このことに悲しみと怒りを感じたそうです。
これをきっかけに独立し、食品ロス問題や解決先について啓蒙活動をしていらっしゃいます。
1章 「食」についての驚きの現実
1 日本は食品の6割以上を外国から輸入しています。
食糧自給率はカナダは264%、オーストラリアは223%、アメリカは130%、フランスは127%、
ドイツは95%、イギリスは63%、イタリアは60%、スイスは50%
日本は37% 結果的に他国の食料を奪っていることになる
2 日本フード・マイレージは一人当たり6628トン・キロメートル
フード・マイレージとは食糧の重さ(トン)に運ぶ距離(キロメートル)をかけた値。食料を運ぶことでどのくらい環境に負荷をかけているかを示す数値です。外国などの遠い場所から運ぶことはつまり、二酸化炭素をそれだけ排出していることになるからです。地球温暖化などの気候変動への影響を減らすためにもできる限りフード・マイレージを低くする努力が必要です。
3 日本の子供の7人に1人が貧困です。
4 日本で農業をする人の平均年齢は67歳です。
5 日本では、東京都の2倍の広さの農地が放棄されています。
全世界の飢餓人口は8億2080万人(2017年)世界の人口が77億人(2020年)に対して9人に1人がお腹を空かせている状況。
6 世界の9人に1人がいつもお腹をすかせています。
7 世界の大人の10人に4人は太っています。
BMIが25以上の過体重の人は世界全体で18歳以上の39%(19億人)、BMIが30以上の肥満の人が13%(6.5億人)
8 2050年、世界の人口は98億人にまで増加します。
1950年の人口は25.4億人、2017年は75.5億人、2030年には85億人、2050年には98億人と予想されています。プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)という考えによると、すでに人間が安全に活動できる範囲=地球の限界を超えるレベルに達していると指摘されています。「種の絶滅の速度」「気候変動」「窒素の量」などから評価される指標です。
9 ハンバーガーを1個作るためにお風呂15杯分の水が必要です。
ハンバーガーを1個作るのに3000Lもの水が必要と計算されます。これはお米1kgを作るのと同じ量です。また、牛肉を1kg作るには20000Lもの水が必要になる計算です。この水で食料を計算する方法は「仮想水(バーチャルウォーター)」という考え方から来ており、環境省のホームーページからも計算することができます。
10 世界では肉の消費量が50年間で5倍に増えました。
11 世界では毎年264万ヘクタールが砂漠化しています。
これは秋田県と岩手県を合わせたくらいの面積です。砂漠になった土地では食料を生産することができません。食糧不足が続くと、貧しい人たちが飢餓に苦しみ、そのために土地の荒廃が進み、また貧困をますます加速させるという悪循環が起きています。
食品ロスとフードロス
食品ロス…食べられるのに捨てられてしまう食べものを指す
フードロス…生産・加工・流通の過程で発生した食品の廃棄部を指す
例:作りすぎて捨てられたりんご、加工の際に出た魚の骨、流通する時に割れたたまご
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