どうもミトコンドリオンです。
今回紹介するのはなんか本の装丁は緑色で目を引くだったので、手に取りました。
帯にも
満場一致で第28回松本清張賞を受賞
時代の閉塞感も、小説のセオリーも、すべて蹴散らす、弱冠21歳の現役大学生による破格のデビュー作
とあったので、面白いかもと思い読んでみました。
書籍情報
万事快調 オール・グリーンズ
著者
波木 銅 (なみき どう)
1999年、茨城県生まれ。大学在学中の2021年、本作『万事快調(オール・グリーンズ)』で第28回松本清張賞を受賞しデビュー。
ざっくり内容
主人公は3人の女子高生。朴、矢口、岩隈。
それぞれの学校生活、私生活で不満もありながら過ごしていた。
それぞれ、将来を悲観していた時、思いついたことがある。
「大麻を栽培して金儲けしよう」
色々あって、3人で園芸同好会を始め、大麻を栽培することになった。
大麻の密売は順調にいっていたのだが、卒業式の日、思いもよらぬことが起きた。
感想
帯に、満場一致の松本清張賞受賞作とあったので、ネームバリューに負けて、読んでみました。
内容は展開が早いこと早いこと。女子高生3人の心の声が丁寧に書かれており、高校生って社会への不満や他人への関心ってこういうものなんだなとトゲトゲしい感じを持ちました。
また、それぞれが、小説だったり、音楽だったり、映画だったりに詳しく、ところどころで例えとして出してくるので、知っている人は想像しやすく、意見をもてるのかもしれませんが、作品を知らないと、なんのことだかわからず、置いてきぼりを食らってしまうと思います。
現に、私は上記の分野に詳しくないので、挙げられても、「ふ〜ん」「そうなんだ」「でも、あんま知らね」という感じで、今ひとつしっくりきませんでした。
興味を持つ人なら、1つ1つ出てきた作品を読んだり、聴いたり、見たりしたら、本書の表現が分かってくるのだと思いますが、
如何せん、その表現が多い。
私は読んだり、聴いたり、見たりしようとは思えませんでした。故に、あまり、心理描写や表現についていけず、本書の魅力を十分に受けることができなかったのかもしれません。
どちらかというと、話の展開の方を重視しており、現実味はないのですが、どんどん進んでいくので、結末が気になって読んでいました。
万事快調と言いながら、大麻を栽培、密売しているので、思いっきり犯罪じゃん。と思いながらも、本人たちは犯罪を犯しているとは思わせないくらい、行動力があり、どんどん自分の人生を送っているので、一部、うらやましいと思いました。
著者も現役の大学生で今ある全てを注ぎ込んだような内容なので、映画化した際も、これからスターになるような俳優さんを発掘するようなキャスティングの映画を想像します。
その際は、小説や音楽、映画の部分はセリフだけではなく、実際のイメージ映像、ライブ映像が差し込まれれば、作品を知らない人でも、表現を受け入れやすく、映画に没頭できるのかもと思います。
ただし、作品が多すぎるので、それに時間を要してしまう気もしてしまいますが…
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