どうもミトコンドリオンです。
なかなか興味深いタイトルの本を見つけました。
それは『「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?』です。
なんのために働いているんだろう。どうしてやる気がないのだろう。と思ってしまっている方に読んでいただきたいと思います。
「自分がどのタイプなのか」「自分の職場はどのタイプなのか」を知ることで、少しは悩みの深層が分かるかもしれません。
また、経営者側の方は「なぜ退職者が多いのか」「なんか会社の雰囲気が悪いな」と思ったら、対策案も紹介されていますので、一度読んでみても良いかと思います。
そんな私は、経営者側でもなんでもなく、いち従業員ですので、読んでも会社は変わりませんが、漠然と働きづらい雰囲気の原因が分かれば、何か対策ができるかなと思っています。
それでは本書の内容をご紹介しようと思います。
書籍情報
「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?
著者
上村 紀夫
ざっくり内容
本書では個人が病んでいき、それが周りに感染し、最終的に組織・会社全体が病んでいくとされています。
個人が病んでいく原因は「会社へのマイナス感情の蓄積」です。
これは、会社から提供できるレベルと従業員が求めるレベルの差になります。
また、このマイナス感情はどんどん蓄積されるため、最終的に閾値を越え、従業員は辞めるか、ぶら下がるか、潰れてしまいます。
会社側はこのマイナス感情について、見て見ぬふりをしやすく、プラス面だけを提供しようとします。
しかし、人はプラス面についてはだんだん慣れてしまい、いつの間にかそれが当たり前になり、逆に提供してもらっていたプラス面が奪われると、悪いことにマイナス感情を持つようになってしまいます。
よって、会社側はプラス面ではなく、マイナス面を改善することが最優先になるのです。
14の労働価値
本書では労働価値について14個あげています。
能力活用:自分の能力を発揮できること
達成:良い結果が出せた。という実感を得ること
美的追求:美しいものを作り出すことができた
愛他性:人や社会の役に立てること
自律性:ほかの命令や束縛を受けずに自分で仕事ができること
創造性:新しいものを生み出すことができること
経済的報酬:お金をたくさん稼ぐことができること
ライフスタイル:自分が望むような生活が送れること
身体的活動:身体を動かす機会が持てること
社会的評価:世間/社会に自分の仕事の成果を認めてもらえること
冒険性:わくわくするような仕事ができること
社会的交流性:さまざまな人々と接点を持って仕事ができること
多様性:いろいろな活動/仕事ができること
環境:業務環境が心地よいこと
皆さんも当てはまるものがあるのではないでしょうか。
私は個人的に比較的能力活用、達成、自律性に重きを置いていると感じています。
マイナス感情を整理する3つのカテゴリー
職場のマイナス感情は色々なところで蓄積してしまいます。
本書では下記のように具体例をあげています。皆さんも思い当たるところが多いのではないでしょうか。
給与の低さ、業務環境が劣悪、成長実感の低さ、雰囲気の悪さ、居場所のなさ、業務のしんどさ、人事制度の不満、自分を表現できない、上司との関係の悪さ
そして、これらを3つのカテゴリーに分類できます。
心身コンディション:抑うつ、疲労、将来不安、身体的病気
働きやすさ:業務量、業務プレッシャー、ワークライフバランス、人間関係、人事公平性、給与
働きがい:強みの活用、適職、成長、居場所感、つながり
そして、この3つのカテゴリーはピラミッドで表現できます。
上から働きがい、働きやすさ、心身コンディション
この3つは関連しており、心身コンディションが悪いと、上の二つもグラグラしてしまいます。逆に上の2つが悪いと心身コンディションにも悪影響を及ぼすそうです。
本書ではいくつかの例を挙げ、それぞれがどのように影響していくかを紹介しています。
・忙しすぎて精神限界
①もともと業務量が多かった部署だったが、新サービスを提供する事業が始まった。
②最初は顧客に喜んでもらえて、働きがいはあったのだが、徐々に疲労が蓄積していく。
③さらに「なんで私たちばっかり」という不公平感も蔓延し、徐々に働きづらさが顕著になってくる。また、誰かがミスをすると人間関係もギスギスしだし、働きづらさが大きくなっていく。
④疲労が溜まると負のスパイラルで働きづらくなり、働きがいも見出せず、離職者が出てくる。
⑤すると、一人当たりの業務量が多くなり、疲労につながり・・・となっていく
このようにマイナス感情が発生するとそれが次の展開に繋がっていき、負のスパイラルにつながってしまうようです。
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